鉄分が体に吸収される仕組み
毎日の食事によって、女性は約2mgの鉄が
毎日体内に吸収されて、尿や便、汗などから
ほぼ同じ量の鉄が失われてきます。
入る分と出る量がおなじなら、体内で血液は作られないのでは?
と思ってしまいますよね。
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でも、新しい血液を作り出すには、
食事によって得られた鉄だけではなく、
古くなって脾臓(ひぞう)で壊される血液に含まれる鉄分、
体内に貯蔵されている鉄分も使われます。
その結果、1日に吸収される鉄分量と失う量は、
ほぼ同じ量になっている、というわけです。
女性の場合、月経があるので、
そのバランスはやや不足気味になりがちです。
月経のとき、出血量としてとして約30cc~60ccが排出されます。
この中にはもちろん、鉄分も含まれていて、
月経と同時に、鉄分も失われてしまいます。
食事量からの鉄分が相対的に不足してしまうと、
鉄欠乏性貧血になりやすくなってしまいます。
これは、別の見方をすると、もし貧血があったとしても、
閉経後の女性なら、鉄分の不足だけが原因だ、
とは限らないということになります。
月経によって失う鉄分を単純に30日で割ると、
1日あたり0.67~0.87mgとなります。
通常の鉄分吸収量である1mgと合わせて、
女性は閉経を迎えるまで毎日1.7~1.8mg、
鉄分を体内に吸収しないといけないということになります。
食事で食べたものに含まれる鉄分が
すべて吸収されるというわけではありません。
1日あたりの食事量の、鉄の所要量で考えると
成人男性と閉経後の女性では10mg、
閉経前の女性(月経開始後)では、少し多めの12mg程度の鉄分を、
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食べ物から摂取しないといけません。
なお、妊婦さんの場合、授乳中の女性は、さらに多くの鉄分摂取が必要です。
妊娠中、授乳中の女性は、
赤ちゃんに鉄分を与えないといけなくて、
しかもこの期間には、優先的に赤ちゃんのほうに
摂取した分の鉄分が流れて行ってしまいます。
赤ちゃんのためにもそうですが、
ママのためにも、余計に摂らないといけないのです。
サプリメントとして鉄分を摂取する時には、
過剰に摂取してしまうおそれがあるので、注意が必要です。
食事から鉄分を摂取しようとすると、
食事中に10mg含まれていても、
吸収されるのは1mgと低く、摂りすぎと言うことにはなりません。
しかしサプリメントを利用するとなると話は別です。
過剰摂取になると、害があることもあるので、
体内にどの程度鉄が含まれているかを
確認しながら摂取しないといけません。
医療機関で、鉄欠乏性貧血の治療として
処方する鉄剤の目安は、1日に100mg~200mgです。
食事の目安からすると、10倍以上になります。
これは貯蔵鉄も補うためです。
鉄欠乏性貧血では、
ヘモグロビン濃度が1か月してから徐々に上昇し、
一定の状態になります。
しかし短期間で服用を中止すると、貧血が再発してしまいます。
このため、貧血が改善してからも1~3か月ほど治療をつづけ、
時期を見て減らしていきます。
サプリメントを摂取すると、いくらでも摂取できてしまいますが、
素人にはこうした医療判断ができない以上、
摂りすぎには注意したいものです。
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