冬の代表的な感染症と言えば、ノロウイルスの感染です。
ノロウイルスに感染すると、吐き気、下痢、発熱などの症状が現れます。
ただ、嘔吐や下痢の症状があっても、それがすぐにノロウイルスによるものなのか、症状からだけでは特定できません。
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そこで、検査には、患者の糞便、吐物を使って検査をします。
ノロウイルスはとても小さいです。
通常の顕微鏡では見ることができないので、より細かい粒子が見られる電子顕微鏡を使って調べる、ウイルスの遺伝子を増やして、間接的にウイルスを検出する、という方法がとられています。
ただし、これらのノロウイルス検出法は、いずれも保険で認められていなくて、外来で検査するとすれば、簡単な検査でも数千円、精密検査だと数万円かかってしまいます。
そのため、一般の外来では診断確定のために検査をすることはありません。
費用的な要因で検査をしないというのもありますが、原因がはっきりしたとしても、治療法が変わるわけでもないので、検査せずともそれほど問題にならない、というのも1つあります。
現在、ノロウイルス事態を駆除できる抗ウイルス剤はありません。
なので、通常は起きている症状を和らげる対症療法がおこなわれます。
これが、検査をしなくても問題ない、といわれる理由です。
嘔吐や下痢などの症状があり、ノロウイルスであると疑われる時は、体力消耗をしないように、水分と栄養補給を十分に行わないといけません。
症状がひどい場合は、病院で輸液を行うこともあります。
下痢や嘔吐をすると、塩分やカリウムなどの電解質が失われます。
なので、自宅での水分補給は、水やお茶よりもスポーツドリンクが適しています。
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1回にたくさん飲んでしまうと、嘔吐しやすくなるので、少しずつ飲んで水分補給するようにしましょう。
ノロウイルスは予防することが大切です。
まず、体内にノロウイルスを入れないようにする。
このために、手洗いと調理器具の衛生管理に気を付けましょう。
★ノロウイルス予防のための手洗い
調理を行う前には必ず手洗いします。
食事の前、トイレのあとに手を洗います。
石けんを十分に泡立てて、手の指の間、爪の間、手首までしっかり洗います。
石けん自体には、ノロウイルスを直接死滅させる力はありません。
しかし、通常の水洗いでは落としにくい手の脂について汚れを落とせるので、それと共にウイルスが手指から剥がれ落ちやすくなります。
★ノロウイルス予防のための食品と調理器具の衛生管理
ノロウイルスの活動性を無くすための温度、時間は、現時点では正確な数値は分かっていません。
ただ、同じようなウイルスから推定すると、食品の中心温度85度以上で1分間以上の加熱で、感染性は失われると言われています。
ノロウイルスは乾燥すると空中を舞うので、口に入りやすくなります。
吐物、糞便は乾燥しないうちに床に残らないようにすぐ処理します。
このとき、手に触れないように必ず使い捨てのゴム手袋を着用します。
処理した後は、ウイルスが屋外に出て行くように、十分に換気するようにしましょう。
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